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(8) 湯○゙~○゙さんを捜せ(仮題)

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落ちこぼれ要人保護課員シリーズ「赤いコート姿の女性」編

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◆2004年8月某日 11:00◆金沢・丸の内 南分室

「先輩!! 岬 朱音(みさき あかね)出てますよ」
田所真一は清涼飲料水のテレビCMで清々しく映る姿で駆ける彼女を見詰めて

「先輩 彼女なにか日本人受けする顔立ちですね 秋のサスペンスドラマで女優デビューとか」
渡辺達司は会話していた電話機の受話器を置くと

「真一君 そりゃ 岬 朱音(みさき あかね) 日本人だろう 言葉の使い方が間違ってないか」
田所真一は何気なく発した言葉で 渡辺達司の切り返しを受けて不思議な感触を持った。

渡辺達司はタバコの火を灰皿に押しつぶすと紫煙漂う部屋を見詰めて
「真一君 南山(ナムサン) の勤める警備会社に一緒に向かってくれないか」

◆2004年8月某日 11:30◆金沢・警備会社

「南山(ナムサン) 民間人になられた感想は如何ですか 」
「おい こらっ お前は相変わらずの ご挨拶だな それより警部任用試験受かったんか」

要人保護課「渡辺達司」よりナムサンと呼びかけられたのは以前の上司だった「南山武雄」で
春に定年退官し地元の警備会社に再就職し病院の警備隊長の肩書きを貰い派遣されていたが
今日は警備会社に詰めていると事前にやり取りがあって要人保護課「田所真一」と一緒に訪ねていた。

「受かるも何も 所属長の若様(キャリア組の警備課長)から推薦も頂けないしね」
県警本部の課長級では若手キャリア組みは刑事部捜査二課長と警備部警備課長の指定席で

彼らは警察庁(サッチョウ)詰めから初の赴任先として着任し二年程の勤務で警察庁に
戻されることを念頭に入れていたので彼らが受ける人事考課で部下が減点を起こさぬよう
気に掛けるため警備課長からすると「渡辺達司」は要注意人物と映っていた。

「ほう そうか 警備課長も見る目があるな」
南山武雄は日焼けした顔を傾け笑った。

「南山(ナムサン) それはないでしょう」
渡辺達司は言いながら 南山武雄 の耳に視線をやり

「餃子耳(ぎょうざ みみ)を見たんで お腹減りましたわ 南山(ナムサン) お昼にしましょうか」

渡辺達司は声を掛け挨拶も そこそこに 田所真一と一緒に南山武雄 の行きつけの
定食屋へ捜査車両に民間人となった 南山武雄 を乗せて 田所真一 の運転で向かった。

警備会社に戻る車内で本題の「宇出津(うしつ)事件(1977年9月 日本人警備員が拉致)」で
当時の捜査担当だった警備部公安課「南山武雄」に捜査概要を尋ねていた。

「達司 捜査報告書のとおりや それだけや」
運転する 田所真一 はバックミラー越しに依然と眼光鋭い 南山武雄 の視線が 渡辺達司 に
向けられているのを感じた。

「南山(ナムサン) 仰せの通りで 何度も捜査報告書を読みましたよ」
渡辺達司 は 南山武雄 の視線を受け流し国道を走り去る対向車に視線を向けながら

「なにか 捜査報告書に書けなかった些細な戯言でも いいんですがね 南山(ナムサン) 」
車内の沈黙を破るように今度は 南山武雄 が犀川を流れる川面に視線を向けながら

「達司 巌門の聞き取りで赤いコート姿の女性を見た人が居たんだが捜査対象外として載せなかった」
ポツリと呟く感で聞こえた 田所真一 はバックミラー越しに 南山武雄 見ると

「赤いコート姿の女性 それですわ。真一君 車飛ばして警備会社に御送りして 」
渡辺達司 から大声が発せられ驚いた 田所真一 だったが制限速度は守った。

--つづく--

★フィクションであり、実在の人物組織とは一切関係ありません。
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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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KIYO♂

Author:KIYO♂
旅 乗り物 株主優待 創作小説  愛犬 ポメ吉 20210714 14歳の誕生日を迎えることなく旅立ってしまう◆20160607未だに冬眠のため不定期活動。

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