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(7) 湯○゙~○゙さんを捜せ(仮題)

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◆2004年8月某日◆日本テレビタワー 

台本 タイトル「サスペンス 社会保険労務士 音川達郎事件簿」
スタジオ(S1) <セット>衆院 社会厚生労働委員会

dai1z.jpg

<シーン#1>参考人証言
//---------シーン#1 スタート-----------------
// ロールバック映像の上に文字スーパー タイトル画面を5秒間表示、BGMスタート
// スタジオセットに切り替え。委員長のアップ、カメラワーク適宜

委員長役『これより委員会を開会いたします。
国民年金制度広報活動の在り方について参与人・政府当局質疑に先立ち
A君から発言を求められておりますので、これを許します。』
// 質疑席へ、カメラ、ターン

A君役 『民自党・国民連合のAです。
(女優)参考人にお尋ねいたします。広報活動の影響度が高く知名度もありTVCMや
ポスターによる啓蒙を期待して政府広報に起用されたと事務方より事前説明を
受けておりますが参考人は国民年金保険料未納付でしたが如何思われるのか。』
// 参考人席へ、カメラ、ターン  女優のアップ、カメラワーク適宜

女優役 立ち上がり 右手により厚労大臣を指し示す
『私は女優よ!! (年金受取額)当てにしていないわ!!』
// スタジオセット全景に切り替え。カメラワーク適宜
// 委員席、傍聴人席より ざわめき。カメラワーク適宜
// 委員長のアップ、カメラワーク適宜

委員長役 『静粛に!! (女優)参考人、発言を続けて下さい』
// 参考人席へ、カメラ、ターン  女優のアップ、カメラワーク適宜

女優役 着席して腕組み
『台本どおりのセリフを言ったまでよ。演じたのよ』
// 参考人席へ、カメラ、ターン  所属事務所社長のアップ、カメラワーク適宜

社長役 動揺を隠し切れず 委員長へ発言を求める挙手
// 委員長がA君役に発言を指名する アップ、カメラワーク適宜

A君役 『それでは(社長)参考人に所属事務所としての対応をお尋ねいたします。』
// 参考人席へ、カメラ、ターン  所属事務所社長のアップ、カメラワーク適宜

社長役 『今回の件につきましては当事務所の年金保険についての把握ミスのため
私の管理監督責任が問われても致し方ありません。』
// スタジオセットに切り替え。首相のアップ、カメラワーク適宜

社長役の発言が聞える
『社員にしておけばと反省しております。』

首相役 顔を傾け ゆるむ
// シーン#1 ブラックアウト

スタジオ(S2) <セット>社会保険労務士 音川達郎 事務所

<シーン#2>音川達郎回想
//---------シーン#2 スタート-----------------
// スタジオセットに切り替え。音川のアップ、カメラワーク適宜

音川役 ソファーに座って国会参考人中継を見ていたが
首相役の顔を傾け ゆるむ姿を見てTVリモコンでTV電源OFF

『自分の選挙公約破っても大したことはないと発言した人よりも
芯の通った発言をする女優さんだな』

事務所事務員 立花さつき に声をかける
// 立花のアップ、カメラワーク適宜

立花役 『遡って納付できた2年分を直ぐに納めたそうよ』
// 電話着信音、カメラワーク適宜



『はい カット!!』
頷く撮影監督の姿に安堵した圭子は監督とスタッフに挨拶と会釈をして主演者の後に続いて
スタジオ(S2)を後にして衣装替えをするために廊下に出ると

『圭子ちゃん 良かったよ グッドね!』
日焼けした顎鬚姿の「真木猛」から声が掛かった

そして圭子の耳元で
『圭子ちゃん 今夜の約束 守ってよ』

言い終わるや了解を確認することなく振り向いて廊下の遥か奥のスタジオ(S1)から出てきた
女優に向って脱兎のごとく走り去る「真木猛」からは約束事の念押しだった。

約束事とは東京タワーと夜景が臨めるホテルのレストランでの二人だけの会食の件だった。

今、東京で頼れる「真木猛」を利用して所属事務所を紹介され 更には圭子の後援会名誉会長で
法務大臣経験者の口添えにより「戸籍」新設の申請中で所属事務所社長が身元保証人となっていた。

そして既に芸名「岬 朱音」(みさき あかね)として女優デビューよりも先にCM起用されていたが
まだ、記憶喪失の ふり をする圭子であった。

任務遂行のためには「真木猛」との会食の後の大人の情事を理解していた圭子は
「身も心も首領様と党に忠誠を捧げる」と念じながらも廊下で擦れ違う撮影関係者達に
笑顔で挨拶と会釈をしながら足早に更衣室へ向って行った。


落ちこぼれ要人保護課員シリーズ「赤いコート姿の女性」編

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◆1999年冬◆北朝鮮 狼林山脈

寒風舞う狼林山脈の麓に招待所を模した建屋がある 1階の部屋の居住者は
第88軍団 工作1課 特殊小組 女性工作員「オ・ミファ」は明日からの雪中浸透訓練に備えて 

消灯し早めの就寝に就こうとしていたが隣室の「李 白梅」からの部屋の明かりが漏れて
「オ・ミファ」の部屋のカーテン越しに薄明かりとなって映えている。

ピョンヤン万寿台に建つ首領様が導き指し示された お姿を思い浮かべ眠りにつく「オ・ミファ」は

「日本浸透計画」の工作者選抜は一人だけだと入所日に担当指導員から告げられていた。

-第一部 完-

★フィクションであり、実在の人物組織とは一切関係ありません。
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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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KIYO♂

Author:KIYO♂
旅 乗り物 株主優待 創作小説  愛犬 ポメ吉 20210714 14歳の誕生日を迎えることなく旅立ってしまう◆20160607未だに冬眠のため不定期活動。

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